"IdP"とは?

IdPって何?なぜ必要なの?
どうやって使うの?他の認証方式との違いは?
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、IdP(Identity Provider)について、初心者の方向けに解説していきます。
IdPとは?
IdP(Identity Provider)とは、ユーザーの認証情報を管理し、他のサービスに対して認証結果を提供するシステムです。
シングルサインオン(SSO)を実現するための重要な要素で、ユーザーは1回のログインで複数のサービスにシームレスにアクセスできるようになります。

GmailやYouTube、Google Driveなど、Googleの直接提供するサービスへの接続だけでなく、
Zoomのような外部サービスとのSSO(シングルサインオン)連携も可能です。
📝 シングルサインオン(SSO)ってなんだっけ?
- ✔ 1つの認証情報(ユーザー名とパスワードなど)を使って、複数の異なるシステムやサービスにアクセスできる仕組みのことです。

社員証を一度発行してもらえれば、
各拠点のオフィスに入れちゃう。みたいな?
ドアの前で毎回面接しないもんね。
これから人事部のこと"IdP"って呼ぼうかな。
これから人事部のこと"IdP"って呼ぼうかな。

IdPと比較される主な認証技術
SSO(シングルサインオン)を実現するための認証技術はIdP(Identity Provider)以外にもいくつか存在します。
それぞれの技術が異なるユースケースに適しており、組み合わせて使用されることもあります。
技術 | 特徴 | 使用シーン |
---|---|---|
Active Directory | Windowsベースの統合認証基盤 | 社内システム中心 |
LDAP | 軽量なディレクトリサービス | オープンソース環境 |
OAuth | 権限委任プロトコル。第三者にアクセス権限を付与する | ソーシャルメディア連携、APIアクセス |
SAML | 認証および認可のためのXMLベースのフレームワーク | 企業内システムやクラウドサービスのSSO |
OpenID Connect | OAuthの上に構築された認証プロトコル | ウェブおよびモバイルアプリのSSO |
独自認証システム | カスタマイズ可能 | 特殊な認証要件がある場合 |
認証技術の組み合わせ例
以下は、異なる認証技術を組み合わせて使用する例です:
- OAuth + OpenID Connect + IdP:
OAuthを使ってAPIアクセスを管理し、OpenID Connectを使ってユーザー認証を行い、その背後にIdPを配置して認証情報の管理を一元化します。 - SAML + Active Directory + IdP:
Active Directoryを利用して社内のユーザー情報を管理し、SAMLを使ってクラウドサービスと連携し、IdPを使って認証フローを統合します。 - LDAP +
OAuth:
ユーザー情報をLDAPで管理し、OAuthを使って外部サービスへのアクセスをコントロールします。これは、オープンソース環境やカスタマイズされた認証システムでよく利用されます。
IdPの主な機能
- ✔ ユーザー認証(Authentication)
- ー IDとパスワードによる認証
- ー 多要素認証(MFA)のサポート
- ✔ 認可(Authorization)
- ー アクセス権限の管理
- ー ロールベースのアクセス制御
- ✔ ユーザー情報の管理
- ー プロフィール情報の保存
- ー 属性情報の管理
代表的なIdPサービス
主なIdPサービスには以下のようなものがあります:
- ✔ Google Identity Platform
- ✔ Microsoft Azure AD
- ✔ Okta
- ✔ Auth0
IdPの仕組み:図解で理解する

IdPを導入する際のポイント
セキュリティ対策
- ✔ 強固なパスワードポリシーの設定
- ✔ 多要素認証の導入検討
- ✔ 定期的なセキュリティ監査
ユーザビリティの考慮
- ✔ シンプルな認証フロー
- ✔ 直感的なユーザーインターフェース
- ✔ 適切なエラーメッセージ
まとめ
IdPは現代のデジタルサービスにおいて、セキュリティと利便性を両立させる重要な要素です。特に複数のサービスを利用する企業環境では、IdPの導入が効率的なユーザー管理とセキュリティ向上につながります。
次のステップ:
- ✔ 自社のニーズ分析
- ✔ 適切なIdPの選択
- ✔ 段階的な導入計画の策定